今回ご紹介させていただくのは、当館から徒歩３分ほど、尾山神社近くの百万石通り面して店舗を構える「加賀てまり毬屋」です。伝統工芸品が多く残る古都金沢にて、手まりを手作り・販売されている全国的にも大変珍しい手まりの専門店です。

てまりは、古くから子供たちの遊びの玩具として親しまれていました。そのなかでも、加賀てまりは、振ると可愛らしい音が鳴るのが特徴とされ、音が良く鳴ると持っている方の運も良くなると言われているそうです。金沢へは、江戸時代に加賀藩主に徳川家から嫁いだ珠姫様がお持ちになったことが始まりと言われています。そして金沢では、娘が嫁ぐ際に、幸せを願って持たせるという習慣があります。

その歴史ある美しいてまりを、ひとつひとつ手作りされているのが、毬屋です。金沢にてずっとその伝統を守り、素晴らしい工芸品を作り続ける毬屋の店内に一歩足を踏み入ると、色彩豊かな手毬の作品に魅了されます。職人の皆様の作業風景も見学でき、質問にも丁寧にお応えくださいます。また、金沢を中心に地域工芸品として受け継がれる加賀ゆびぬきの制作もされており、アクセサリー小物も合わせて販売されています。

当館のカウンターにも昨年からずっと、毬屋の加賀てまりを大切に飾らせていただいています。加賀てまりは、現在、装飾品として、お部屋に飾られるとこも多くなり、身近に愉しめる金沢の大切な工芸品のひとつです。ぜひ、金沢の美しく縁起の良い、職人技が輝く加賀てまりをお手元で楽しんでみてはいかがでしょうか。